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常世の風に吹かれて呟いて…

常世の国に迷い込んだヒロ爺が、日々の風に吹かれて呟きを舞う

雲雀高天に啼いて雨あがる

朝9時過ぎには雨が上がると思っていたのであったが、しぶとく昼近くまで降り続いた。
天は明るくなってきており間もなく止むなと思っていたのであるが、全く予想が外れてしまった。
11時過ぎ、天から突然に雲雀の声が聞こえてきた。
雨が止んだのかなと庭に出るが、むしろ強まってきたようである。
しかし雲雀は雨を気にするでもなく、ズンズン天に昇って行き、声も益々高く鳴き始めた。
するとどうであろうか。雲雀の姿が雨雲に消えそうになるや、いきなり日が射し始め雨が上がったのである。
雨脚が少し強まったというのに構わず天に昇ろうとする雲雀には直ぐに日が射すことが分かっていたのであろう。
小生など、もう晴れるぞ、もう晴れるぞ、と願うように口にすれど止まなかったのに…。
お犬様に雨止んだかな、と声しても寝たふりをしていたのに、雲雀の声が聞こえてきた途端起きだしてくるのだから動物たちの気象を読む力は大したものだ。
そう言えば、童謡に「カラスと一緒に帰りましょ」と歌っていたが、我々もちょっと昔まではこんな風に動物達と共に暮らしていた事を思い出した。
大地は人のものではなく人は大地のもの、を忘れて久しい。
危ない危ない。
(ヒロ爺)
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Author:ヒロ爺
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ヒロ爺は、映画・演劇の脚本・演出を生業としておりましたが、日本シナリオ作家協会を退会し、何もやらない何もしない暮らしを始め、周囲の顰蹙を買っています。しかし、何もやらない何もしない暮らしは、その才能と精神力がないとできないことを知り、改めて己を天才(天災)かも知れないと思っている所謂呆け老人です。

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